NEW!!!後編第四話
聖地。... by STRONG
早朝、ポカラからネパールとインドの国境の町ネパールガンジに向かった。まだ日も昇ってなくて少し肌寒い。バスに乗り込み窓から見るアンナプルナの山々はホントにきれいだった。バスの中は退屈で、結局ネパールガンジに着いたのは夕方の16時頃だった。俺は今すぐにもインドに入りたかったので、このネパールガンジから入ることにした(もう少し西まで行ってインドに入るのが一般的らしいが)。どうせ長い移動になるので、俺たちはネパールガンジに一泊することにした。カンボジアでも感じたことだが国境というのは一種独特な雰囲気を持っている。次の日、カンボジアでのこともあったので少し気を張っていたが、意外とあっさりと入国することができて何だか気が抜けた。けどインドに入った途端、街並みが少し変わった。一言で言うとネパールなんかと比べものにならないぐらい汚い。インドに入ったという実感が少し沸いてきた。バス停に行き、バスの出発を確かめると、ハリドワールまでバスの中で一泊し
て約20時間かかるらしかった。ここは覚悟を決めて一気に行くことにした。覚悟してたとはいえ、このバスの移動はホントに辛かった。何度か休憩を取るのだが、バスの中は蒸し暑く、身動きが取れないほど座席は狭く、極めつけは運転手がお気に入りのインド音楽のカセットテープを爆音でガンガン流す。ネパールガンジではツーリストが珍しいのか、その運転手は他のインド人を押しのけていちばん前に座席を取ってくれた。そういえばツーリストは一人も見かけなかったし、もちろんバスの中にもいなかった。こんな無謀な移動をする外国人はあまりいないらしい。始めは俺たちもその陽気な運転手とともにいっしょになって騒いでいたが、そのうち、それにも飽きて寝ようとするがなかなか寝れない。日も沈み、夜になれば寝かしてくれると思いきや、おかまいなしに音楽をかけ続ける。0時を回り2時になり3時を回っても全く関係ない。いい加減‘音楽を止めろ!!!!!!!!!!!!!!!!!’と怒りの視線を送るが、俺たちがまだ起きてるのが嬉しいのか、完璧に勘違いして、さらにノリノリになっていらないジェスチャー付きで音楽に合わせ、歌を口ずさみだした。何より驚いたのは他の乗客のインド人は誰一人として文句を言わず、その状況の中で寝ている・・・。‘郷に入りては郷に従え’。しかし、そんな最悪な状況もいつかは終わる。ハリドワールの街が見えた瞬間、バスの中で歓喜の声が上がった。ほぼ一睡もできなかったが、夜が空け朝の8時ごろハリドワールに遂に到着した。すっかり仲良くなった運転手と堅い握手をして別れ、クタクタになりながらも宿を探し、なるべくガンジス川(ガンガー)に近い宿を取った。ハリドワールはガンガーの源流であり、ヒンドゥー教3大聖地の一つでインド中から長い時間をかけて、それぞれの神様(シヴァであったりヴィシュヌであったり)にお祈り(プージャ)をしにやってくる。一生のうちに一回来れればいいとされている場所のこと。そんな聖地にやってきたが、俺はそれどころではなく部屋に入るなりベットに崩れるように沈んだ。目が覚めるとすでに夕方になっていた。stinkerは起きていたようで、部屋のベランダから通りのすごい数のインド人を眺めていた。二人で屋上に行くことにした。屋上に行くと日が沈みかけガンガーが夕日にきれいに染まっていた。そしてちょうどプージャが始まろうとしていた。鳴り止まないインド音楽、道を埋め尽くす人々の話し声や笑い声、プージャのための鐘の音、神を讃えるロウソクの火。それらを眺め、いろんなことをぼんやり考えた。インドに来てブッ飛ばされ圧倒された瞬間だった。俺たちは疲れていたが、道行く人をかき分け橋を渡りガートまで行った。それはもうなんていうか体が勝手に動くというか、どうにもおさまらない衝動だった。その渦の中に入ってみたい。そのカオスを味わってみたい。人間としての本能が突き動かしてる、そんな感覚だった。それは宗教というものに初めて触れた瞬間だったかもしれない。可愛らしい女の子に額に赤い朱印をしてもらい、ガンガーに花をたむけ、ガンガーに足を浸かり、少し飲み、沐浴する人たちを眺めた。夢中でデジカメのシャッターを切った。2、3日して興奮も収まり、ガンガーを眺めて過ごした。あいかわらず押し寄せてくるインド人の熱気は変わらなかった。俺たちは、次の街リシュケシュに行くことにした。リシュケシュはハリドワールの隣の街なのでバスですぐ行けた。リシュケシュはビートルズがヨガの修行をした道場があるとこで有名なとこだった。リシュケシュに着いた日、宿を出てガンガーまで行くと、4、5人のサドゥーがいた。そして当然のように話しかけられ、ガンガー沿いでみんなで話すことにした。(サドゥーとは社会に背を向け、家や仕事や家族を持たず、インド中を放浪する修行者。シヴァを信仰している修行者が多い)。インドに行ってサドゥーに会ったら聞いてみたいことがあったので、隣にいたひとりの耳にバカでかいピアスをしているサドゥーに、話の流れから聞いてみた。『あなたにとってガンガーとは?』すると、そのサドゥーは『Ganga is just river』と答えた。ただの川・・・。それだけで充分だった。リシュケシュで俺たちはヨガやメディテーションの修行をしたかったわけじゃなかったので、ここも5日ぐらいで次の街に行くことにした。そして俺たちはデラドゥーンを経由してマナリーに向かった。
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